Insight Search

Sort by:
  • Newsletter

    July 31, 2014
    過去の本シリーズ記事でも取り上げた通り、リスクアペタイ ト(選好)ステートメント(注:リスク許容度/選好度を明確 にしたリスク管理方針書)には、①許容しうる、または戦略 に合致するリスク、②許容できない、或いは戦略に合致し ないリスク、③戦略・財務・業務リスクパラメーター、の 3 つ の要素があります。これらの 3 つの要素は一体となって 企業のリスク選好を構成します。 リスク選好ステートメントは、取締役会や経営者にとって は、戦略策定プロセスから生み出されるリスク戦略につい て注意喚起を促してくれます。例えば、競争に勝ち残る ための戦略に関して、競争相手に比べ秀でている分野を 徹底的に明らかにしてくれます。以下においては、リスク 選好ステートメントがどのように活用されるべきかについて 具体的に検討を行います。 日本語版PDF         英語版PDF
  • Newsletter

    August 28, 2014
    プロティビティが 2013 年後半に共同開催したシカゴでの ラウンドテーブルにおいて、ある取締役は、彼が取締役を 務める取締役会では、「思いもつかない事象」について 協議するのに十分な時間を割いていないと感じている、と コメントしました。その後の対話では、新たなリスクの効 果的な認識方法と、経営者がそれらの手法を活用して 取締役会のリスク監視プロセスに対して情報提供を行っ てもらいたいとの期待を取締役会が持つことの重要性が 指摘されました。 日本語版PDF         英語版PDF
  • Newsletter

    September 30, 2014
    リスクマネジメントにおいて究極的とも言える問いをよく耳 にします。「全社的リスクマネジメント(ERM)の価値をど のように測定するのか?」 単純な問いのように聞こえま すが、これに対する単純な回答は存在しません。将来の 組織の成否を分かつ多くの力が、組織の内外で作用し ている状況において、ERMあるいはリスクマネジメントの 総じての成功度をどのように測定すればよいのでしょうか。 経営者が適切な意思決定を行った場合と、その企業に おいてERMがなかった場合の意思決定は違うものに なっていたかをどのように知ることができるでしょうか。あ るいは、経営者が不適切な意思決定を行った場合、その 企業においてERMがあれば意思決定は違うものになっ たとどのように知ることができるでしょうか。ERMプロセス によって、意思決定プロセスに重要な違いが生じたので しょうか。このことを証明するのは困難です。…
  • Newsletter

    October 31, 2014
    リスク文化とは謎めいた言葉です。その重要性について は誰もが理解していますが、具体的に何を意味し、改善 が必要となればどうすればよいのかについてはよく理解さ れていません。重要であるにも関わらず、リスク文化はし ばしば、うわべだけの言葉で捉えるか、あるいは単に無視 してしまうかのどちらかに分かれてしまいがちです。どち らも好ましいことではありません。 日本語版PDF         英語版PDF
  • Newsletter

    November 30, 2014
    最新のCOSO「内部統制-統合的フレームワーク」が発 表されて1 年以上になります。今年は多くの企業が 2002 年のサーベンス・オクスレー法 404 条に準拠するため、財 務報告(ICFR)に関する内部統制評価のために適用を 始めています。ここで二つの疑問が生じます。 なぜ取締役はこのフレームワークに留意しなければな らないのか。 このフレームワークについて何を知る必要があるのか。 日本語版PDF         英語版PDF
  • Newsletter

    December 29, 2014
    ビジネスモデルそのものを脅かすリスクへの対応につ いては、上級経営者と取締役会が認識していないこと が、組織に損害を与える可能性があります。 本資料で は、組織の経営戦略を具体化する要因の基礎となって いる主要な前提条件をなぜ経営者が認識し考慮すべ きなのかについて考察します。また、取締役会は経営 戦略を評価する際には前提条件をレビューし、建設的 な質問を投げかける必要があります。 経営戦略リスクは、最近の調査では、2014 年において、マ クロ経済リスクや業務リスクと比較して前年比で最も大き く注目されています[1]経営戦略リスクとは、組織が成長機 会を追及するために策定する計画の妥当性に影響を与 えるリスクを指します。 変化の激しい今日では、上級経営者と取締役会は経営 戦略の基礎となっている前提条件が意味を為さなくなるよ うな、将来起こり得る事象を熟知しておかなければなりま せん…
  • Newsletter

    January 31, 2015
    リスクマネジメントにおいてバイアスは常に存在してお り、今後もそれは変わらないでしょう。これは人間の 特質であり、不可避であると言えます。どのような組 織においても、グループ思考、他を圧倒するような性格 の人物、数字への過度の依存、都合の悪い情報の軽 視、最近の事象への偏重、およびリスク回避あるいは リスクテイクへの偏りが存在することは、まれなことで はありません。 従って、バイアスが存在するか否かが 問題ではなく、リスクとリウォードに関する意思決定プ ロセスに内在するバイアスをどのように管理するかが 問題となります。 2008 年の金融危機が、これまでで最も顕著なリスクマネ ジメントの失敗であったことについて異論をはさむ人はほ とんどいないでしょう。金融危機を生じさせた要因と責め を負うべき関係者は多数であり、それらの全てをここで取 り上げることはできません。警告信号は規制当局や金融…
  • Newsletter

    February 26, 2015
    企業経営者は企業価値を創造するためにリスクを取る ことを期待されています。 同時に、それらのリスクを 適切に管理することが求められます。しかし、リスクマ ネジメントプロセス自体が企業価値に貢献できるので しょうか。ここでは、取締役会のリスク監視に対する 価値ベースのアプローチに関する2 つの視点である、 戦略的視点と財産的視点について検証します。 CEOは誰でも、企業価値創造の機会を追及しています。 これは取締役会が期待していることです。「ビジョナリー・ カンパニー:時代を超える生存の原則」という本の中で示 された原則の一つに、企業は自らを存続させるために、社 員にぬるま湯から抜け出すというコミットメントを求める「困 難で大胆な目標」を設定するというものがあります。[1] 重要 な点は、CEO が現状に甘んじてはならないというだけで はなく、組織も現状に甘んじてはいけないということです…
  • Newsletter

    March 31, 2015
    非公開会合は、適切に活用することにより、取締役会のリス ク監視プロセスの重要な一部となりうるものです。 以下で は、非公開会合の価値を最大化するために、非公開会合に どのように取り組むかを考察します。 非公開会合は、以下のようなさまざまな理由で、独立取締役に より開催されます:CEOの業績、報酬および継承に関する評 価、取締役の間の衝突や意見の不一致の解消といった取締 役会の運営に関する課題への対応、上級経営者が関与した 不正行為に関する調査結果の検討、取締役会の運営の在り 方と実績に関する議論、および機密性が求められる事項に関 する少人数での検討など。 非公開会合は、上級経営者がいる場では質問に対して用心 深くかまえたり、回答を躊躇したりする可能性のある特定の経 営幹部から、生の情報を得る機会を取締役に提供するもので す。取締役会のリスク監視プロセスの一部としての非公開会…
  • Newsletter

    April 30, 2015
    多くの企業は、リスクに関する継続的な対話を促進するた めに、リスクに関する共通言語を用いたり、リスクの分類を 行ったりしています。取締役会のリスク監視に関しては、全 ての範囲をカバーし、監視プロセスの焦点を定めるために、 取締役は独自のリスク言語を用いるべきかという疑問が生 じます。それぞれの企業の取締役会は、そのようなリスク 言語が有益であるか否かを、企業の事業活動の特質を踏ま えて判断しなければなりませんが、以下では取締役が考慮 すべき5つのリスクカテゴリーについて考察します。 日本語版PDF         英語版PDF
Loading...