優秀な人材の獲得と維持がテクノロジーの導入とイノベーションを促進する

予想通り、組織はイノベーティブで新しいテクノロジーを数多く導入していますが、導入しているテクノロジーには各テクノロジーの成熟度や利点に依存してばらつきがあるようです。

例えば、クラウドやモノのインターネット(IoT)は、世界の大多数の組織で広範囲に利用されています。さらに、これらの技術を現在使用していない企業のほぼすべてが、今後使用する予定があります。

この結果は組織が業務や顧客体験を改善するために成熟したテクノロジーを積極的に導入していることを示すものです。クラウドのような技術は、もはや「新興テクノロジー」の範疇ではありませんが、その機能は日々拡張しており、成熟した技術であってもイノベーションを促進するために利用できることを実証しています。

一方、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、ロボティクス、Web3などのテクノロジーは、現在広く使われているわけではありませんが、多くの組織が今後3年以内に導入する予定であることがわかりました。

興味深いことに、ITリーダーの間では、メタバースに対する考え方は賛否両論です。約33%の企業が今後3年以内にメタバース関連技術を導入する予定ですが、その反面、28%の企業は現在使用しておらず、今後の使用の予定もないと回答しました。

あなたの会社では、次のうちどのような種類の技術を使用していますか。 (複数回答可)

  現在使用中のもの 現在は使用していないが、今後3年以内に導入する予定である 現在は使用していないが、3年以上後に導入予定 現在使用しておらず、導入の予定もない
クラウド 75% 18% 7% 0%
IoT 70% 19% 10% 1%
5G 53% 29% 12% 6%
人工知能/機械学習 49% 27% 19% 5%
エッジコンピューティング 46% 29% 22% 3%
ブロックチェーン 43% 34% 13% 10%
ノーコード・ローコード 34% 38% 19% 9%
AR/VR 29% 36% 23% 12%
ロボット工学 25% 38% 20% 17%
Web 3 24% 41% 23% 12%
量子コンピュータ 21% 42% 26% 11%
メタバース 8% 34% 30% 28%
人材、才能、文化への投資がイノベーションを促進させます。

あなたの会社でイノベーションを妨げているスキル関連のギャップがあるとすれば、それはどのようなものでしょうか。

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あなたの会社でイノベーションを妨げているスキル関連のギャップがあるとすれば、それはどのようなものでしょうか。

イノベーションは、適切なスキルが欠けていることによって阻害されることがあります。デザイン思考、ソリューションアーキテクチャ、エンタープライズアジリティにおけるスキルギャップがイノベーションの取り組みを阻害している分野として挙げられています。

特に、人材争奪戦の終わりが見えない中、短期的・長期的にイノベーションを促進する技術関連分野で優秀な人材を確保・維持することは、企業にとって継続的な課題であると言えます。

そのため、デザイン思考やソリューションアーキテクチャ、さらにはエンタープライズアジリティなどの分野で人材に焦点を当て、スキルギャップに対処することが戦略的に必要となっています。このような取り組みの一環として、イノベーション思考をサポートし、リスクを取って新しいアイデアを探求することを奨励する文化を構築することも重要です。人材、才能、文化への投資がイノベーションを促進することを意識してください。

人材、才能、文化への投資がイノベーションを促進させます。

テクノロジーリーダーに求められるアクション

注目すべき点 - 業界と地域

  • 金融業界ではソリューションアーキテクチャのスキルに大きなギャップがあります(44%)。
  • 消費財メーカーにとって、デザイン思考(52%)は主要なスキルギャップです 。
  • テクノロジー企業では、ソリューションアーキテクチャ(55%)とデザイン思考(40%)が大きなスキルギャップのある分野であることがわかります。
  • 公的機関の35%は俊敏なテクノロジー環境を実現することがイノベーションの維持に不可欠だと考えています。
  • 中国(42%)、アラブ首長国連邦(40%)、ドイツ(40%)の組織は、アメリカ(28%)やインド(30%)に比べて戦略的思考におけるスキルギャップに直面しています。
  • インド(24%)と中国(20%)はリーダーシップにおいて大きなスキルギャップを抱えています。
  • イギリスでは、デザイン思考(43%)とソリューションアーキテクチャ(45%)において、大きなスキルギャップがあります。
  • アジリティに関しては、インド、イタリア、フランス、香港が平均よりも高いスキルギャップを有しています。
  • インドに拠点を置く組織は、AI、ML、VR、ブロックチェーンなどの新興技術の導入率が高い動向にあります。
  • オランダ、インド、シンガポール、香港は、ノーコードやローコード技術を使用する傾向があります。
  • アジア太平洋地域の組織は、他の市場よりもAIやML技術を利用する傾向があります。

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