取締役会のリスク監視

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    July 31, 2015
    サイバーセキュリティ攻撃は引き続きメディアの高い関心を 集め、取締役会において今日的な意味を持つテーマであり 続けています。情報セキュリティは、戦略、リスク管理、変更 管理およびアクセスコントロールの全てにおける情報システ ムの機密性、完全性および利用可能性(可用性)に関係して います。以下では、この重要な課題について考察します。 リスク管理においては、リスクを除去することは不可能であり、リ ソースは限られており、リスクプロファイルは変わり続けていると いうのが現実です。サイバー攻撃についても同じことが言えま す。このため、変わり続けるサイバー攻撃の状況とリスク許容 度を理解し不可避的に発生するインシデントに備えることにより、 組織の最も重要な情報資産とシステムの保護に焦点を当てる…
  • 65
    June 30, 2015
    コンプライアンス部門が有効性を発揮すべく組織内で位置 付けられるためには、まず、経営者と取締役会がコンプライ アンス部門に期待する役割を定義することが必要です。コ ンプライアンス部門に期待する役割を理解することにより、 コンプライアンス部門を組織の中でどのように位置付ける べきか明確になります。 組織におけるコンプライアンス部門の適切な位置付けに関す る質問をよく受けます。多くの場合、コンプライアンス部門は誰 に報告すべきかが議論の中心になります。残念ながら、このよ うな問い掛けは、役割と責任に関する本質的な問題に焦点を 当てるものではありません。コンプライアンス部門の位置付け において組織間の違いが存在する理由の一つは、コンプライ アンス部門に期待する責任に関して異なる見解が存在するこ…
  • 64
    May 31, 2015
    ノースカロライナ州立大学 ermイニシアティブとプロティ ビティは、上級経営者を対象として、企業が直面するマクロ 経済、戦略、および業務リスクに関する最新の調査を完了し ました。2015 年の上位 10 のリスクは 2014 年と大き な違いを映し出しており、上級経営者や取締役が気に掛け ていることについて洞察を提供しています。 主要な事業上の課題に関する以下のサマリーは、約 275 名の 上級経営者(大部分はグローバル企業の経営者)を対象とし た調査に基づくものであり、2015 年に企業が直面する主要な 不確実性を理解する上での助けとなるものです。[1] 日本語版pdf         英語版pdf
  • 63
    April 30, 2015
    多くの企業は、リスクに関する継続的な対話を促進するた めに、リスクに関する共通言語を用いたり、リスクの分類を 行ったりしています。取締役会のリスク監視に関しては、全 ての範囲をカバーし、監視プロセスの焦点を定めるために、 取締役は独自のリスク言語を用いるべきかという疑問が生 じます。それぞれの企業の取締役会は、そのようなリスク 言語が有益であるか否かを、企業の事業活動の特質を踏ま えて判断しなければなりませんが、以下では取締役が考慮 すべき5つのリスクカテゴリーについて考察します。 日本語版PDF         英語版PDF
  • 62
    March 31, 2015
    非公開会合は、適切に活用することにより、取締役会のリス ク監視プロセスの重要な一部となりうるものです。 以下で は、非公開会合の価値を最大化するために、非公開会合に どのように取り組むかを考察します。 非公開会合は、以下のようなさまざまな理由で、独立取締役に より開催されます:CEOの業績、報酬および継承に関する評 価、取締役の間の衝突や意見の不一致の解消といった取締 役会の運営に関する課題への対応、上級経営者が関与した 不正行為に関する調査結果の検討、取締役会の運営の在り 方と実績に関する議論、および機密性が求められる事項に関 する少人数での検討など。 非公開会合は、上級経営者がいる場では質問に対して用心 深くかまえたり、回答を躊躇したりする可能性のある特定の経 営幹部から、…
  • 61
    February 26, 2015
    企業経営者は企業価値を創造するためにリスクを取る ことを期待されています。 同時に、それらのリスクを 適切に管理することが求められます。しかし、リスクマ ネジメントプロセス自体が企業価値に貢献できるので しょうか。ここでは、取締役会のリスク監視に対する 価値ベースのアプローチに関する2 つの視点である、 戦略的視点と財産的視点について検証します。 CEOは誰でも、企業価値創造の機会を追及しています。 これは取締役会が期待していることです。「ビジョナリー・ カンパニー:時代を超える生存の原則」という本の中で示 された原則の一つに、企業は自らを存続させるために、社 員にぬるま湯から抜け出すというコミットメントを求める「困 難で大胆な目標」を設定するというものがあります。[1] 重要 な点は、…
  • 60
    January 31, 2015
    リスクマネジメントにおいてバイアスは常に存在してお り、今後もそれは変わらないでしょう。これは人間の 特質であり、不可避であると言えます。どのような組 織においても、グループ思考、他を圧倒するような性格 の人物、数字への過度の依存、都合の悪い情報の軽 視、最近の事象への偏重、およびリスク回避あるいは リスクテイクへの偏りが存在することは、まれなことで はありません。 従って、バイアスが存在するか否かが 問題ではなく、リスクとリウォードに関する意思決定プ ロセスに内在するバイアスをどのように管理するかが 問題となります。 2008 年の金融危機が、これまでで最も顕著なリスクマネ ジメントの失敗であったことについて異論をはさむ人はほ とんどいないでしょう。金融危機を生じさせた要因と責め…
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    December 29, 2014
    ビジネスモデルそのものを脅かすリスクへの対応につ いては、上級経営者と取締役会が認識していないこと が、組織に損害を与える可能性があります。 本資料で は、組織の経営戦略を具体化する要因の基礎となって いる主要な前提条件をなぜ経営者が認識し考慮すべ きなのかについて考察します。また、取締役会は経営 戦略を評価する際には前提条件をレビューし、建設的 な質問を投げかける必要があります。 経営戦略リスクは、最近の調査では、2014 年において、マ クロ経済リスクや業務リスクと比較して前年比で最も大き く注目されています[1]経営戦略リスクとは、組織が成長機 会を追及するために策定する計画の妥当性に影響を与 えるリスクを指します。 変化の激しい今日では、上級経営者と取締役会は経営…
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    November 30, 2014
    最新のCOSO「内部統制-統合的フレームワーク」が発 表されて1 年以上になります。今年は多くの企業が 2002 年のサーベンス・オクスレー法 404 条に準拠するため、財 務報告(ICFR)に関する内部統制評価のために適用を 始めています。ここで二つの疑問が生じます。 なぜ取締役はこのフレームワークに留意しなければな らないのか。 このフレームワークについて何を知る必要があるのか。 日本語版PDF         英語版PDF
  • 57
    October 31, 2014
    リスク文化とは謎めいた言葉です。その重要性について は誰もが理解していますが、具体的に何を意味し、改善 が必要となればどうすればよいのかについてはよく理解さ れていません。重要であるにも関わらず、リスク文化はし ばしば、うわべだけの言葉で捉えるか、あるいは単に無視 してしまうかのどちらかに分かれてしまいがちです。どち らも好ましいことではありません。 日本語版PDF         英語版PDF
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