DXによる監査情報のデータベース化 マツダ株式会社様 グローバルで監査情報を一元化し、業務効率化を図る

マツダ株式会社様:DXによる監査情報のデータベース化

グローバルで監査情報を一元化し、業務効率化を図る~内部監査業務におけるGRCツールの導入~

独自のデザインとブランド力で、世界中に根強いファンを持つ自動車メーカーのマツダ。当社の内部監査は、本社とグループ会社の監査部門等が連携して行っていますが、業務効率という点からは、監査情報の保管、検索に課題があり、デジタル化が求められていました。全社的なDXの流れが加速する中で、海外子会社が先行して活用していたGRCツールを2024年に導入。情報の一元管理を通じて、真のデジタル化の一歩を踏み出しました。

【GRC導入前】監査情報の保管性、検索性に課題

マツダ株式会社は1920年に創業し、自動車の製造・販売事業をグローバルに展開しています。連結子会社は70社、海外を含む生産拠点は9カ所、販売国・地域は130以上にのぼります(2023年3月31日時点)。

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当社では、経営の健全化・効率化などを目的として、本社とグループ会社の内部監査部門等が連携して内部監査を行っています。また、「マツダグループ内部監査基本規程」に基づいて、本社内部監査部門主導の下、国内・海外のグループ会社の内部監査部門との定例会議や内部監査人の教育を実施したり、グループ会社の内部監査計画の承認や監査報告のレビュー、改善状況のフォローアップ、監査方針のベクトル合わせや監査情報の集約などを行っています。

監査結果や監査情報は電子化されていましたが、ExcelやWord、PowerPoint、PDFなど、バラバラの形式でファイルサーバーに保存されていたため、一覧性に乏しく、過去の情報を探し出すのに時間がかかっていました。苦心して集めた過去の情報と最新の監査結果を照合しながら、新たに書類を作成するのですが、全てマニュアル対応のため、こちらも工数がかかっていました。また、海外拠点とのコミュニケーションは主にメールでのやりとりとなるため、情報の保管や検索に課題がありました。

 

【GRC導入検討】北米子会社が使っていた「AuditBoard」に注目

監査業務上の課題を解決するためには、真の意味でのデジタル化、監査情報のデータベース化が不可欠である――。当社のコーポレート業務本部グローバル監査部ではそう考えていました。折しも、全社レベルでDX推進の流れが加速する中で、さまざまな選択肢を検討し始めたのが2021年後半のことです。

 

ゼロベースから調査し、情報収集する中で、他社のGRCツール、内部監査ツールなども候補に挙がりましたが、採用までには至りませんでした。

その後、人事異動に伴い、新任の部門長がマツダノースアメリカンオペレーションズ(北米の子会社)を訪れ、監査部門のメンバーとコミュニケーションを取る機会があり、そこで紹介されたのが「AuditBoard」でした。

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北米では、数年前から「AuditBoard」を導入し、監査業務の高度化・効率化を図っていました。現地のメンバーによるデモンストレーションを見て、ビジュアル的にも非常に見やすかったことや、「使いやすく、導入により業務効率が向上した」という彼らの声を聞いて、本社への導入を本格的に検討し始めました。

「AuditBoard」というソフトウェアについては、北米で知ることになりましたが、AuditBoard社については詳細な情報を把握していませんでした。よくよく調べると、日本法人は存在しないが、日本ではプロティビティが企業とAuditBoard社との間に入って、日本語での導入支援を行っていることが分かり、プロティビティにコンタクトしました。

 

【導入後の取り組み】日本語によるサポートで導入はスムーズに

導入プロジェクトは2024年2月にスタートしました。事前準備から始まり、現状把握/要件定義、システム設計、パラメータ設定を経て、テスト、リリースという流れで進行していく中で、各フェーズで出てきた課題については、一貫してプロティビティのサポートを受けることができました。

前述の通り、プロティビティが当社とAuditBoard社との間に入って、日本語でのヘルプデスクを務め、操作方法に関する問い合わせ対応や問題発生時の一次窓口対応といったサービスを提供してくれたことは非常に心強かったです。様々な質問に対しても、懇切丁寧に回答いただきました。

また、原因調査や不具合改修など、その場で解決できない内容については、プロティビティがAuditBoard社に問い合わせて回答をいただくケースもあり、我々のレベルに合わせて真摯に対応いただいたという印象を持っています。

今回、当社が導入したのは「AuditBoard」の構成モジュールのうち監査管理ソフトウェアの「OpsAudit」です。

現在は導入準備を完了し、2024年度下期からの本格活用を目指しているところです。ダッシュボード機能の有効活用に向けて過去の監査データを入力しているほか、アンケート機能であるWorkStreamやSubmit機能で承認ワークフローの使い分けを試行錯誤したりしています。

【今後に向けて】AI活用でさらなる効率化も見据える

今後の目指すべき方向性については、グローバルに散在している監査情報や社内報告等も含めてすべて「AuditBoard」に集約することで、グローバルでの監査状況を把握でき、業務も完結できる状態をできるだけ早期に実現したいと考えています。また、監査プロセスを標準化し、「AuditBoard」を参照すれば、監査プロセスや監査手続が理解できるような、ナレッジを蓄積する監査の基盤としての「AuditBoard」の活用を目指していきます。

さらにその先に見据えているのは、AIを活用した監査業務の徹底的な効率化です。例えば、現状欄などを自動的に要約して役員向けの報告書を自動作成したり、入手した資料が設問内容に合致しているかどうかを自動判定したり、法改正等を織り込んだ上で監査結果を分析し潜在的なリスクを発掘し提言してくれるような機能追加も期待しています。

プロティビティから、今後も引き続き、他社の活用事例などを含めたナレッジの共有や、ユーザー交流会など、情報交換の場の提供をいただき、当社における内部監査の高度化を推進していきたいと考えています。

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(左より)グローバル監査部 主幹 井上和彦氏、シニア・スペシャリスト 小山雄一郎氏、シニアエキスパート 青木一郎氏、シニア・スペシャリスト 加藤慶子氏、部長 八島秀一氏、シニア・スペシャリスト 池内陽子氏、主幹 柴田昌訓氏、シニア・スペシャリスト 山元康二朗氏

※ ご担当者の役職名は、インタビューを実施した2024年8月時点のものです。

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